TITLE:これがNゼロ・マシンの原型だ!!

そこで、オグラは現在のGTIカップのルーツとなる、ゴルフ3のカップカーがどんなクルマであったかを、この機会にお伝えしよう。それはNゼロ規定を満たすために、涙ぐましい努力が払われたクルマだった。

ここに登場するのは、'00年からスタートしたフォルクスワーゲン・レーシング・カップに実際に参戦したカップカー。このレーシング・カップ、基本的にはNゼロ規定をクリアするよう改造され、V.T.A.(フォルクスワーゲン・トロフィ・アソシエーション)による事前車両検査をパスしたクルマならば、出走が可能だった。とはいえ、'00年はやはり、コックスのRT(レーシング・トイ)を購入し、参戦する人がほとんどだった。RTには、コックスが用意したレース用のパーツが揃っていて、それを装備してNゼロ規定を満たすという方法が、最も簡便なマシン作りだったからだ。


'99年9月15日に開催された"フォルクスワーゲン・モータースポーツGTIカップ"では、保安基準適合検査記録簿というのがあった。レース後、公道を走るための車検を行なうためのチェックシートで、項目としては次の10項目があった。
①前後ナンバープレートの取り付け
②灯火装置類に貼付した飛散防止夕食テープの除去
③フロントウインドー上部のレース指定のボルダーテイント(カッティングシート)除去
④突起物となる前後牽引フックの取り外し
⑤一般公道走行に安全な最低地上高の確保
⑥タイヤの残り溝
⑦ブリーザ-ホースの接続(オイルキャッチタンク→エンジンブリーザーパイプ)
⑧サーキットブレーカー操作ワイヤーの取り外し(キルスイッチが作動しないこと)
⑨バッテリーターミナルを固定するテープ類の除去
⑩車検証に記載の乗車定員分の座席確保
これらの項目の検査は、フォルクスワーゲン・グループ・ジャパンが派遣する技術員立ち会いのもとで行なわれ、これをパスしたクルマのみがサーキットから出る、つまり公道を走って帰ることが許された。現在は、"公道車検"と呼ばれている検査の原型である。

①前後ナンバープレートの取り付け
②灯火装置類に貼付した飛散防止夕食テープの除去
③フロントウインドー上部のレース指定のボルダーテイント(カッティングシート)除去
④突起物となる前後牽引フックの取り外し
⑤一般公道走行に安全な最低地上高の確保
⑥タイヤの残り溝
⑦ブリーザ-ホースの接続(オイルキャッチタンク→エンジンブリーザーパイプ)
⑧サーキットブレーカー操作ワイヤーの取り外し(キルスイッチが作動しないこと)
⑨バッテリーターミナルを固定するテープ類の除去
⑩車検証に記載の乗車定員分の座席確保
これらの項目の検査は、フォルクスワーゲン・グループ・ジャパンが派遣する技術員立ち会いのもとで行なわれ、これをパスしたクルマのみがサーキットから出る、つまり公道を走って帰ることが許された。現在は、"公道車検"と呼ばれている検査の原型である。

涙ぐましい努力が払われたと感じられるのは、項目の⑩。車検証に記載の乗車定員分の確保、だ。ゴルフ3のGTIの乗車定員は5人。Nゼロといってもロールケージの装着は義務づけられるから、もちろん取り付けるわけだが、この時代はまだ、リアシートを取り外さなければ装着できなかった。そこで考えられたのが、ロールケージの後半部分を簡単に脱着できるようにすること。この後半部を装着しない状態、つまりリアシートを付けた状態でサーキットにやってきてロールケージ後半部を装着。レースが終わると、公道を走行できるように、このロールケージ後半部を外し、リアシートを取り付けるのだ。ロールケージの後半部を外すと、ロールケージのメインバーにそのステーが残ってしまうが、これは突起物と見なされるため、そこにはカバーを取り付けなければならない。結構タイヘンだが、これで公道を大手を振って走って帰れるならばなんのなんの。
2009年8月20日 08:00
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