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Author:生方 聡

1964年生まれ。自動車専門誌「CAR GRAPHIC」の編集部員を経てフリーランスのジャーナリストに。フォルクスワーゲン専門誌「Breeze」(現在休刊中)の編集長。

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TITLE:「マニュアル感覚」を磨こう
100609-MT-01.jpgいまやすっかり少数派のマニュアル車。新車ラインアップを見るとフォルクスワーゲンには設定モデルがありませんし、アウディでもTT RSとR8 4.2の2モデルだけになってしまいました。

オートマチック全盛の日本市場ですから、「家のクルマはずっとオートマ」とか「オートマのクルマした買ったことがない」という人は多いはず。また、オートマ限定免許の方なら、当然マニュアルを運転したことがないわけで、マニュアルの影はどんどん薄れています。

私自身はマニュアルが大好き。"クルマを操っている感"がオートマより強いのが実に楽しいんですが、ただ最近マニュアルを運転したら、DSGやSトロニックのように素早く操作できない自分がもどかしく、あまり意地を張っていてもいけないのかなぁ、なんて思いはじめています(笑)

それはさておき、マニュアルを知らない、あるいは、オートマに慣れきっている人が多いために、なにかと驚かされることが多くなっています。たとえば、少し前、女性モータージャーナリストのMさんが、「(オートマチックの)マニュアルシフトを説明するのに、"マニュアル感覚で運転できる"といったら、"マニュアル感覚"って何ですか?って聞かれた〜!」と苦笑いしていました。確かに、マニュアルを運転したことがあれば"マニュアル感覚"は理解できますが、運転したことのない人にはちんぷんかんぷんでしょうね。

ということは、マニュアルを知らない人は坂道発進の難しさもわからないでしょうし、バッテリーが上がったときの"押しがけ"がいったいどんなものか、想像もつかないのか(笑)

100609-MT-02.jpgそれでも、ふつうにオートマやCVTのクルマを運転するかぎりは、困ることはありません。ところが、フォルクスワーゲンのDSGやアウディのSトロニックは、"マニュアル感覚"が大切なんです。
たとえば、マニュアルを運転したことがあればわかることですが、低いギアでアクセルペダルをラフに扱うとクルマの動きがギクシャクします。だから、マニュアルに慣れている人は、低いギアではアクセルペダルを丁寧に操作するでしょう。でも、オートマやCVTに馴らされている人はそれがわからず、"オートマ感覚"でDSGに乗ると、ついアクセルをラフに操作してしまい、動きがギクシャク→扱いにくい、ということになります。

確かに、DSGやSトロニックが出始めたころは、アクセルペダルを丁寧に操作してもスムーズに動かないことがありました。しかし、最新のDSGは、ドライバーが気をつけてやれば、目くじらを立てるようなマナーの悪さはありません。

オートマやCVTの動きが穏やかな理由のひとつに、トルクコンバーター(トルコン)の存在があります。詳しい構造の解説はしませんが、エンジンとギアのあいだにあるトルコンが、必要に応じて"すべり"を許すことによって、結果的に動きをスムーズにしてくれます。また、滑らせているときには、見かけ上、実際のギア比よりもギア比が低くなるため、より力強い加速が可能になります。ただ、そのぶん、伝達ロスが生じるため、マニュアルやマニュアルをベースとしたDSG/Sトロニックに比べると燃費では不利になるわけです。

フォルクスワーゲンやアウディがDSGやSトロニックを拡充しているのは、まさにこの燃費性能に注目しているからです。しかも、デュアルクラッチ式ならシフト、とくにシフトアップが素早く、動作もスムーズです。いまやエントリーモデルのポロにも7段DSGが搭載される時代です。DSGの癖を頭に入れ、"マニュアル感覚"のペダルワークをぜひ身につければ、スムーズで快適なドライビングスタイルが見えてきますよ!
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